Mi viaje a Sudamerica             
                 

6: バルデス半島  <アルゼンチン> (10月25日〜)

ここは南緯43度,すでに”パタゴニア”地方と呼ばれ,南大西洋に突き出した島の様な形の半島だ。
”南”というと私達日本人には,暖かいイメージをもつことが多いが,ここは南極からの風が直接吹き
つけるような”風の国”である。
ペンギンやアザラシ,鯨,シャチなどの海洋生物や,グアナコなどパンパに住む野生動物達を見ら
れる保護区である。


<Trelew:トレレウの町へ>

暑い北の高地サルタからブエノスアイレスに戻り,乗換えて南に約2時間の飛行でトレレウに到着。
360度真平らな大草原:パンパの中の空港に着陸した。
空港から何も無い平原の中をタクシーで20分程,僅かな起伏が現れ,小さな町トレレウのホテル
に到着した。
日も傾き,時々”ヒューッ”と風も吹いている。パタゴニアの風か
部屋から通りを見てもほとんど人も歩いていない。
サミシイ所に来てしまったか・・・
,と少しビビる。

 それでも,セントロに行って見るとそこそこ人は歩いている。人口8万というのだから。
お決まりのPlazaがあり,カテドラルがある。子供を抱いた物乞いのお母さんも寄ってくる。
そして町一番の通りには,あの”中華食べ放題;Tenedor libre”もあるではないか!
喜んでここに入る。7時半なのにまた他の客は誰もいない。
ウエートレスの可愛いセニョリータ二人を相手にたどたどしい会話をしながら,沢山いただく。
ウーロン茶も飲めて!少しはサミシサも解消した。(ハラが減っていただけか?)

まあ,ここには気軽に音楽を聴けるとこもなさそうだし,あすは早いから早く寝よう。
                      
【ただ,ひろーい大草原原,:パンパ】 【ホテルの窓から表を覗いても・・・人影もない】
 
<バルデス半島,岬めぐり> (10月26日)
 
さあ,今日は動物王国;バルデス半島周遊だ。
朝7時,ホテルに迎えが来る。(どうもここアルゼンチンは,宵っ張りのクセに朝が早い。国が広い
のでぐずぐずしてると,回れない?)
”歩き方”によれば,この半島は奈良県と同じくらいの面積でかなり広い。
それがすべて,ほとんど真平らな台地上のパンパ。ここを走り回り海岸の岬を訪ねて,海の生き物
達をたずねる。
空と海と,草原が広い。

【 草原の中を走り回るグアナコ。リャマの仲間。
 良い毛が取れるため,一時乱獲された 】

【半島の海岸は,ほとんどこんな感じである】
【 光の加減か,海の色,輝きが不思議な印象である 】 【巨大な象アザラシのオスと,小さなメス達】
危ないから15m以内に近着くなと言われた

 【 ハーレム: ”お前達は皆,俺様のもの!” 】

【← オスの体長は3m位。もっと大きいのもいるという】


古い灯台近くにある一軒家のレストランで昼食後,今度はホエールウォッチングの場所に向かう。
プンタ・ピラミデ(ピラミッド岬)という場所の近くから船が出る。
ここは遠浅の砂浜の為船は着岸できす,水の中で船ごと台車に乗りトラクタで砂浜を引き上げてもら
い,そこで乗り降りする。
さすがに人気スポットのようで観光客が多い。
【プンタ・ピラミデ方向】
【鯨観察ボートの乗り場付近】

【この湾に居てかなり慣れて?いるのか,
ゆったり遊泳している クジラ】

【頭?に,こぶのようなものがあるクジラ】

【 ボートを待つ,遠足の子供達。
全員表情がとても明るく印象的だった 】
<ペンギン見物>  (10月27日))

今日は,ペンギンのコロニーを訪ねる。ホテルのあるトレレウの町から,昨日のバルデス半島とは
反対方向,南に2時間近く行った所にあるプンタ・トンボという場所だ。
途中,というか何処まで行っても見渡す限りのパンパ:大草原である。
大草原と言っても,このあたりのは1mくらいの低い潅木の生えた厳しい環境で,強い風が吹き渡っ
ていくのであろう。其のままでは牧場にもならず,役立てるには難しい土地なのであろう。
舗装も無いパンパの中の路を行くと,やはり時々グアナコの群れを見かける。

ペンギンのコロニーでは,季節がらも少し早いようで,さほど沢山のペンギンが密集している様は
見られなかったが,それでも,足元にも寄ってきたり,巣で卵を抱く様子が身近に観察できたりと
動物園ではない,自然の生態が眺められる。
広いパンパを駆ける,グアナコの群れ】
タンゴの名曲”アディオス・パンパ・ミア”を思い出す
【 ペンギン保護区の入り口:”歓迎プンタトンボ” 】
【穴で卵を抱くペンギン夫婦:片方は護衛か?】

【 足元にやって来たペンギン 】
【 輪になって遊ぶ?ペンギン】

【 波打ち際:やはり水の中では軽快な動き 】
<ガイマン:英国移民の町>

ペンギン見物を終え帰りにガイマンの町に寄る。(トレレウもそうだが)ここは英国移民により開拓
され多くのウエールズ出身の人達が集まってその生活習慣を守り暮らす静かな町である。
小高い丘から見渡すと,”チュブ川”にそって沢山の樹が植えられ町や家々の合間にも緑が濃く,
”パンパの中のオアシオス”の様な風景が心をなごませる。
ガイドが言うには,”この木々はすべてここの人達が植え育て,この風景を作り上げた”そうだ。
 
またガイドは敢えて我々にこう注意した。
”ここの人達は,英国からの移民だが,アルゼンチン人である。(敵視?)しない様気を付けよ!”
20年ほど前に軍事政権が英国に対しおこし敗れた”フォークランド島戦争”の後遺症(反英国)が
未だに尾を引くことにきづかされる。
アルゼンチン人と話す時,”フォークランド(英語名)”とうっかり言うと必ず,
”ノー!,マルビナス”と訂正される。
ここガイマンの人達は,いまでもつらい立場を経験しているのかもしれない。
【 ガイマンの村の丘からの眺め 】
パンパを開拓して,樹を植え作り上げられた風景
【 英国風ティタイムを体験できる,”Casa de Te" 】
ガイマンの村の中にある 

 それはそれ,我々観光客ご一行様達は,ガイマンの町にある英国田舎風のティハウスでひと休み。
英国風午後のティタイムを,紅茶と山盛りのケーキでしばし楽しんだ。
荒涼としたパンパの景色の後の,英国風の(村)のたたずまいと”ガーデン”の緑に,ほっとするひとと
きをすごし,トレレウのまちに戻った。



 < 次の目的地;バリローチェへ向けて出発 >

この日の夜,トレレウの町から夜行長距離バスにのり,次の目的地バリローチェへ向かった。
飛行機の便は日曜日にしかない。
”南米のスイス”と言われるバリローチェ迄は,バスで15時間の予定だ。

夜9時に出発したバスは,真っ暗な路をひた走る。
夜中にバスが止まり数人が降りていく。
建物の壁に,”PASO DE INDIO” と大きく書かれている。 ”インディオ峠”か・・・。
バスはまた闇の中を走り出し,Usazito もふたたび眠り込む。