お庭番控帖
                                     NEW!
1:梅干作り 2:干柿作り 3:マーマレード作り  4:四つ目垣作り



その1: 梅 干 作 り   オー,すっぺー! 思い出すだけでツバが出る正統派梅干を!

この頃市販の甘ったるい,調味料,保存料まで入った”梅干もどき”に抵抗して,
途中中断しながらも正統派梅干を作り続けている。
おにぎり,お弁当,おかずの足しに,お腹の具合の悪い時,風邪気味のとき,
暑さにやられた時,疲労回復等,その効用は数え切れない。
いまや出張旅行や,お遊び海外旅行にも必需品だ。
記録によれば1979年以来,妻のCotoritaが作り始めたが,いつしかそのお役目は
もっぱら,お庭番・Usazitoのものに変わっていた。
    さあ,今年も梅干を作ろう!
    簡単,ヘルシー,万能,おいしい 梅干をあなたもどうぞ!

【 材料 】 下記三点だけ! これで約180個の梅干ができる。
       * 梅干用青梅 ・・・ 紀州みなべ町産,”南高梅” 2Lサイズ(中玉),5kg
       * 赤紫蘇    ・・・ 3袋(八百屋で20*30cmの袋入),または5束
       * 天然塩    ・・・ 1kg,にがり入の天日塩が最高

【 作り方日誌 】

@ 梅干用青梅到着!:6月18日

梅干用青梅は,青くない。ご覧のとおり黄色く
赤く色着いて,おいしそー(食べてはいけない)
甘く爽やかで酸っぱい香りが広がる。


梅干の出来ばえは,梅の実の素材がすべて。
本場和歌山みなべ町産の南高梅を,ネットで
取り寄せている。皮が薄く柔らかでねっとりと
した果肉に仕上がる,毎年ばらつきも少なく
さすがの品質だ。
 * Usazitoの利用している販売元:
           梅樹園プラムレディ
 2L:中玉5kg,\4500,この大きさが食べやすい。5月に注文しておいた。

   
A ヘタとり  
  傷つけない様,爪楊枝で丁寧に取り除く
B 一晩水に浸す:6月20日
  さっと表面の汚れを洗ってから,水に浸す
C 漬け込み準備:カビ予防  漬け込み容器はカメがベスト。プラスチック,金属製はNG。
  またガラス容器の場合,完全に暗い所に保管を。光を好むカビも多い。
  使用する容器,道具類は熱湯で消毒し更に焼酎(又は消毒用エタノール)で拭いておく。手も


D 漬け込み:6月21日
  よく水分を切ってから,塩750g(重量比15 %)を各層に満遍なくふる
E 木製の落し蓋を置き,まず軽めの重石を
  乗せて漬け込み開始。


F 重石の追加
 4,5日して梅酢が上がってきたら重石を追加(重石を2個にした)。 赤紫蘇の発売を待つ。
 (その後,カビの様子を確認。発生していてもあわてず,こし器などですくい取ればOK)

 
G 赤紫蘇の仕込み:7月1日
  紫蘇の葉の軸をすべて取り除く。3袋
H 塩もみ,アク抜き
  塩で紫蘇をよく揉み,黒いアク汁を流し
  軽く水で洗い,きれいな手でよく絞る。

I 赤紫蘇の漬け込み  絞った紫蘇をほぐし,充分に梅酢の上っている中,梅をそっと掻き分け
   ながらを混ぜ込んでいく。梅の実を傷つけないように! たちまち鮮やかな紫蘇の赤色が!
   また重石を載せ,このまま梅雨明けを待つ。


J 様子見/お手入れ:7月12日   途中カメのふたを開けてみた。紫蘇のかすのような物と
   カビの様な物が梅酢表面に浮いていたが,きれいにすくい取って問題なし。


K 漬け上がり:8月6日
   今年は梅雨明けが遅く天気の安定が遅い
   平年なら,7月末で充分。
L 脱塩/水洗い
  塩分を下げる為,サッと水に浸し表面の塩を
  洗う。短時間,ヒトゆすり程度がコツ。

M 天日干し開始:8月6日
  水気を切り,平ざるに並べ真夏の太陽に!
  (三日三晩干す と言われるが)
N 干し上がり完成!:8月9日
  昼間だけ4日間干してよしとする。途中2回
  全ての梅をひっくり返しよく陽に当てる


出来たて梅干
*** 祝 梅干完成! ***


くぅうー,なんという鮮烈なすっぱさか!


梅の実と紫蘇の葉,


夏の太陽と海の恵みに感謝!



[ 梅干作り・おしまい ] 




    その2:干 柿 作 り

家の庭に古い柿の樹がある。
不肖Usazitoが子供の頃,祖父が新潟の実家から苗木を貰って植えたのを
覚えている。もう樹齢60歳以上だろうけれど,まだまだ元気な樹だ。
大きな実のなる立派な柿で,残念ながら渋柿だが赤く熟すまで置いておくと,
それは甘い自然の熟し柿も楽しめる。母親が大好きだった。
 
この秋は当たり年,大豊作だ。干柿を作ろう!
 

*11月中旬 秋空をバックにだいぶ色づいてきた

 



* 収穫! 
* ただ取ればよい,のではないノダ!
  干柿にするには,ヘタの枝をT字型に残す。

    
 

* 皮むき;

10月末から12月にかけて,色づいたものから
順次収穫して皮をむき,干す。
最終的には300個近くの皮をむいた。
手が痛くなる。

 
* 軒下に吊るす
* 12月中旬だいぶ乾いてきたがもう少し。    
 
* 12月中旬の樹の様子;
すっかり葉も落ち収穫も進み,残り5,60個か。毎日,色々な小鳥達がやって来る。
スズメ,メジロ,ムクドリ、百舌,尾長?それにカラスまで!
朝から夕方まで,競いながら賑やかについばむ。渋いのにも,突っついた跡がある。
「ペッエー,シブー!」なんて鳴いてたのかな?
 
 残りはみんなあげよう,ゆっくり食べなさい。
 
 
* 干し上がり;2ヶ月くらい干してほぼ良し。
  ブラシで表面をよく払う。

*プレス;干しあがったものを,底の平らな物で軽く押しつぶす。形を整えるだけでなく,食感、味も良くなる。(プロは,機械のローラーに通すようだ)
     
 

 
*** 祝 ほし柿完成! ***
 
自然の甘さの凝縮された素朴で懐かしい干し柿が出来た
この柿の樹を植えていってくれた祖父と,太陽のエネルギー,冬の冷気の恵みに感謝!
 


[ 干し柿作り・おしまい ]





  その3:マーマレード作り

2,000年に甘夏みかんの小さな苗木を植えた。
4年目位からかなり実をつけ始め,まだ高さ2mもない樹だが今では毎年20個以上の立派な甘夏みかんが楽しめるようになった。
12月頃から黄色く色付きだしたのをじっと我慢して春三月,さあ食べ頃だ。
 
毎朝もいで来てデザートに楽しむ,春のささやかな贅沢。
皮をむいた瞬間にひろがる爽やかですっぱい,甘夏みかん特有の香り!
実を食べるのも勿論好きだが,皮を捨てるのももったいない。
 
   さあ,フレッシュで絶品の 甘夏マーマレード を作ってみよう!


 

    マーマレード作り; これ程簡単な料理(?)はない!,皮を刻んで砂糖で煮詰めるだけ。
              新鮮な果物の香りと味わいをいかに閉じ込めるか?が命。
               余計な事はなるべくしない方がいい(と思う)。
              これは自己流の作り方だが,今年で2回目,大変おいしく出来上がる。

 
【 材料 】 * 甘夏みかん   ・・・ 4個    皮は4個分,中身は2個分使う
       * グラニュー糖 ・・・ 300グラム
       *  コニャック   ・・・ 約20cc(又はブランディ),風味付け用。
       *  塩        ・・・  気休め程度のほんの一振り
 
【 作り方 】 甘夏みかんの皮4個分を,きれいなタワシで良く洗い,6等分の切れ目を入れて剥く。
         2個分の中身は,袋をきれいにむいて取り出しておく。
 
@ 皮を刻む 厚さ2mm,長さ2〜3cm程
  A 水に漬けておく。 2時間程
                    
 
B 皮のもみ洗い。 水の中で一度よく揉んでから水を流し,再度きれいな水で流してからよく絞る。
   (苦味を抜く為:若い果実?は,これを3,4回繰り返すと言われるが,私の場合,なるべく
    果実の成分を失わないよう一回だけ。結果は充分であった。)
 
C 1回目の煮詰め。 絞った皮に適量の水(なるべく少なく)を加え,煮詰め開始。
    皮の白い部分が透き通ってきたら,火を止め一度皮だけを別の容器に取り出す。汁は残す。
 

 
D 砂糖を煮詰める

鍋に残した汁に,グラニュー糖:300gを入れて
煮立てる。

 
←  鍋はホーロー鍋が良い!
 
← なんと,幻の名器:Sonett電磁調理器
              (IHヒーター)
E 煮詰め本番! 
 
Dで煮た砂糖の中に,取り分けておいた皮と
2個分の中身を入れて,煮詰め開始。
実は煮詰めながらほぐす。
 
弱火で焦げ付かないようにかき混ぜながら,
じっくり煮詰める。約1時間。

  
*戸棚の奥に忘れ去られていた洋酒が出て来た
F 隠し味投入 煮詰まってきたら仕上げの
 香り付けに,コニャックかブランディを加える。
 更に,気休め程度に塩をほんのひとふり。
なんと,コニャック:ヘネシーのXO
 
G アルコールを飛ばし更に煮詰めて完成!
   
* 冷えると少し固まるので,僅かに水分が
  残る程度でとめる。
* 熱湯消毒したジャム瓶に, 出来上がった
  マーマレードを暖かいうちに詰め,しっかり
  蓋をしめる。さめたら冷蔵庫で保管。
  
* 約700g(大,中二瓶)のマーマレードが完成



*** 祝 甘夏マーマレード 完成! ***

口に含んだ瞬間広がる甘夏みかんの爽やかな酸味!
煮詰められた果皮をひとかみすると浮かぶほのかな苦味は,甘さの中にすっと溶けていく
 
酸味,苦味、甘みの華やかなメロディのバックに
あたかもピアノの左手のように,奥深い高貴な風味をかすかに添えてコニャックが効いている
  
春のめぐみに感謝!
 
 
 
[ マーマレード作り・おしまい ]




 その4:四つ目垣 作り

子供の頃には近所のあちこちで見かけた、竹を組んだ素朴な四つ目垣
近頃では、お寺か日本庭園にでも行かないと見られない。
年をとった今、妙に懐かしく日本的情景として思いだされる。
よしっ、自分で作ってみよう!と、2000年に初めて作ってみた。
さほど難しい事はなくそこそこの仕上がりで、10年以上庭に風情を添えて
くれた。2013年、さすがに朽ちはて、倒れそうー。
       

       
 
 
   初代・四つ目垣 13年の時の流れ。 
  
 
 二代目・完成!  青竹のきりっとした姿もいい。
                               ↓ 水盆は小鳥の水飲用
 四つ目垣の作り方 ・・・ 上の写真の例(幅2.7m)
 
【材料】 1) 柱(杭) 3本 径10cm,長さ1.5m *地上高は1.1m、根本と頂部に防腐塗装
     2) 青竹 径35〜40mm 横材:2.7m×4本、縦材:1.1m×13本(地上高は1.0m)
     3)  シュロ縄  70cm×2本×52箇所=72.8m
【注】    * 竹の切断には、竹挽き用ノコギリが使いやすい。
       * 縦材の竹は、上部に節を残して切る。(水があまり溜まらず、強度も増す)
       * 横材は、ドリルで孔を開けて釘で柱に固定する
       * 青竹は、裏山の竹林から切って来た・・・のではない。↓ここで買いました。
                     ホームページ → 藤平竹材店 (横浜・中区)
         さすが竹材のプロのページ、竹材と応用品の紹介が詳しく、見ていても楽しい。
                  

 シュロ縄の結び方 ― いぼ結び

   1: シュロ縄(70cm)を水に濡らし,拭っておく
            (結びやすく、しっかり締まる)
    2: 図[A]の通りにからげ、しっかりしめる
    3: 裏側は、図[B]の様に交差させる
 
* 結び方に慣れたら、実際には2本(二重)でこれを行うと、より 丈夫に結べる。右の写真は2本使いです。

【A】 表

【B】 裏
 


[C]交点を左親指で押さえ、@端でループを作る [D]C端の縄をループに巻つけ、しっかり締める
[E] 右親指で交点を押さえながら、
       @端をしっかり引く

 [F] いぼ結び完成!
        結び目から5cm位で切り揃える



*** 祝 四つ目垣再建 完成! ***
 
庭師入門の実技試験の課題でもあるという、四つ目垣作り。出来はまあまあかな
 
小鳥達や蝶、トンボのひと休みに、また朝顔もからませて
ささやかな庭の点景の様に季節と自然に溶け込み
見る人も、日本の四つ目垣を楽しんでくれますように
 
 
(四つ目垣作り、おしまい)




    


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