8: | サンラファエル氷河 -2/3 <チリ> (11月1日) |
サンラファエル氷河へのクルーズ |
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ホテルの庭の下に広がる静かな朝の入り江。 小さな桟橋に船が待っていた。 ”Bienvenido !,Welcome aboard !”の 挨拶に迎えられ乗船。 ”氷山探検号”という,まるでそのまんまの名の カタマラン(双胴船)のこのクルーザー,長さは 約20m,キャビンは約70人乗りの大きさだ。 上の階にはサロンと,後部展望デッキがある。 |
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【 Catamaranes del Sur より】 |
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各国からの乗客は約50人弱で,キャビン内はゆったりである。 8時半,出港。 サンラファエル氷河まで,海路170キロ,約5時間のクルーズだ。 |
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入り江を出ても全く波のない,海とは思えない水路を船は進む。 船中は乗り合ったばかりの客達が,旅の期待と軽い緊張感,それにまだ目覚めていない!為か 席から静かにフィヨルドの景色を眺めている。 クルーの,控えめだがきびきびとした動きが,海の男を感じさせる。 熱いコーヒーが美味い。 地図で見ると,地殻変動と氷河で削られて出来た大小無数の島々と入り江が集中していて, それらの間を,右に左にスラロームで進んで行くのか?と思っていたが,今日のクルーズではそこ までの寄り道はしないし,実際に船で走っているとそれ程の事はない。地球は大きい。 かなり広い水路が続き,船の方から景色の良さそうな位置を選んで走っていく。 それにしてもやはり,いくら走っても前後左右どちらの方角にも緑の岸,島,山があり、 振返っても自分がどの方角の海峡を抜けてきたのかがよく判らない。フィヨルドなのだ! |
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【 白く輝く堂々たる雪山。名前を聞き忘れたのは不覚であった!】 位置から推測すると,”Cerro Maca:マカ山”(2916m)か? (*** 知っている方,ぜひ教えてください! ***) |
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【1】 |
【2】 |
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「あれっ?いつの間にかまたこんな事に・・・」→ サンチャゴから来たセニョーラ達とSalud ! 2時間も経つと船内は皆,amigo,amigaの世界。 2階のサロンで,ポーカーやドミノゲームにも 誘われて一緒に遊ぶ。スペイン語,英語も日本 語もチャンポンだ! 「オー,Fujimoriのamigoか!」,「La Geisha 知ってるよな?」,(日本の知識,それだけか?)・・・ |
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【 ↑:Annita,ホント! ↑:Bombero? Usazito 】 |
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Capitan:船長の招待で,ブリッジを見学。 → 船には必ずあるはずの,操舵輪がない! 操縦席の肘j掛けにあるジョイスティックで方向, スピードも制御している。手首を軽く動かすだけ まるでゲーム機なみだ! 氷山の間をすり抜けるには舵輪では間に合わ ないか。レーダ,GPS,無線機,計器類が並び, 飛行機のコックピットのような印象だ。 1200馬力,最高速度は40km/時。 ウォータージェット推進である。 |
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【 ↑ Capitan? Usazito 】 |
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【 船はひたすら進む 】 |
【 ようやく, 氷河が流れ下る様子が見えてくる! 】 | |
<Laguna San Rafael:サンラファエル環礁に到着 (午後2時)> 長いフィヨルドの水路の終点にある,ラグーナ・サンラファエル。 訪れる氷河は,ここに流れ込んでいる。 直径10km程の大きなほぼ円形の環礁である。(”潟湖”というべきかも知れぬ) 一ヶ所だけ,巾数百メートルの出口が開きフィヨルドの水路につながっている。 |
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ラグーナの入り口に近づくと,海面一杯に白い 氷が浮かんでいる。 引き潮にのって流れだしてきた氷河のかけらだ。 舳先に見張りを配置して,船は速度を落とし 氷の少なそうな所を慎重に進む。 水面下には見かけの約8倍の氷が隠れている。 それでも時々, 「ゴツーン!」,「ガツーン!」,「ドーン!」と 衝撃音と振動が伝わる! ”!No quiero Titanic !”と,皆で祈る。 |
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【 ラグーナから流れ出た氷河のかけら 】 |
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【 ラグーナに入り大きな氷山の間を進む。 神秘的に青く輝く氷山 】 |
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<San Rafael Graciar:サンラファエル氷河> |
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【 初めて目にする 氷河!, 本当に氷の河である。 】 |
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白くまた青く輝く,本物の氷河! 美しい! 水に流れ込む幅は,およそ1200m位。 この奥の方数10Kmに,サンバレンチン山という 4000m級の山があり,その裾野から広がる広大 な,サンバレンチン大氷原から流れ来ている。 何千年にもわたって積もり固まった雪が,氷の 大河となって今ここに流れ来ているのだ ! ← (クリックで拡大します) |
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【 右の方,ゴマ粒の様に別の船がいる 】 |
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【 乗ってきた本船 : ”氷山探検号” 】 |
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ゴムボートに分乗して,氷河近くまで見に行く。 だが,なっ,なんと言う不覚! ゴムボートに乗った所でカメラの 電池が切れた!!, 予備は本船のバッグの中ダァー!! 肝心の氷河接近が撮れない・・・・・・。 ほとんど海面の目線から,浮かぶ氷山の間を抜 けながら,氷河に近づいて行く。 白い氷がまぶしい。 氷の上に,銀色に光るアザラシが一匹寝そべり 顔をあげてこちらを見ている。 |
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氷河の先端が崩落するのを警戒して,直下迄は 行かないが,それでも近くから見上げる氷の崖 の連なりは,もの凄い迫力だ。 白と青の神秘的な色合い,大自然の造形美! 戻りながら,氷河の氷を持ち帰る。 何千年前かの氷で,オンザロックを作り乾杯! 冷えた身体があったまる。 皆の顔も大満足である。 |
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静かな広いラグーナ,色々な形の氷山や氷河 のかけらが浮かぶ不思議な光景。 船のデッキから,のんびりと眺めているだけでも 楽しい気分だ。 |
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夕方5時,そろそろ サンラファエル氷河とお別れの時間だ。 |
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【 お別れに,きれいな姿を見せてくれた サンラファエル氷河 : 11月1日 午後5時 】 | ||
次ページ: < サンラファエルの南十字星 >に続く。 |
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