2: | ブエノスアイレス−2/3 <アルゼンチン> |
街歩き 五月広場から正面に伸びる”五月通り”をぶらぶら歩いて行くと,”カフェ・トルトーニ”があった。 ここは大変古くからあるカフェバーで,”いかにも,ブエノス・・・”な,落ち着いたノスタルジックな 雰囲気の店だ。 古い装飾,調度品が歴史を感じさせ,壁にはここを訪れたり演奏をした著名人(多分)の 古い写真や,チラシのようなものが沢山飾られている.。 コーヒーを飲みながら,しばし雰囲気に浸る。 店から少し行くと,広い道にぶつかる。 7月9日大通り:Avenida nuebe de Julio (独立記念日からの命名)。 片側だけでも10車線くらいある。世界一の道幅らしい。 向こう側に渡るのも信号1回では渡れない。 通りの真ん中に,巨大な”オベリスコ”がそびえている。ブエノスの街 の創設400年を記念するもので,紹介写真やビデオに必ず出てくる シンボルではあるが,”折角の世界一の道幅をここでジャマしている。” と後日乗った車のドライバーは言う。 |
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テアトロ・コロン見学 世界三大劇場の一つ,南米で最も優美で雰囲気のあるオペラハウスと言われている。 公演のない昼間,内部の見学ツアーが行われている。英語組に参加。 エントランスロビーでは,クラシックなドレスを着たセニョリータが,ヴァイオリンソロで 迎えてくれる。繊細できらびやかな,劇場ロビーの雰囲気を盛り上げる粋な演出だ。 |
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【 テアトロ・コ ロ ン 】 |
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メインホールでは丁度,何かのオペラの練習が行われていた。 私たち見学者も,ホール中央の最高の席に座ってしばし練習風景を見る。 舞台上に,全くの普段着の5人ほどの男女が坐っている。 音楽監督らしい人の合図でオーケストラが演奏を始める。 ズボンにラフなシャツで,華奢なかんじの一人の女性が前に出て,突然唄いだす。 張りと艶のある圧倒的な歌声が場内に響き渡る!! 一瞬にして,本物のオペラの世界! ウットリと聞き入っていると,いい所で監督が止め,オーケストラに何かダメを出している。 そう,リハーサルだった・・・。そしてまた,歌声が響く。 見学者は皆「ラッキー!」と,満足そう。 席から場内を見回すと,今まで映像でしか見たことのない,いかにもクラシックな劇場の造り。 両サイドから後方まで,何層にもぐるっと取り囲むボックス席,高い天井の装飾, 照明がついたらさぞや華やかな事だろう。 地下の,幾つもあるリハーサルルームもガラス窓から中がのぞけて,ダンスの練習風景が 見られた。また,舞台に使う様々な衣装やその工房,大道具製作場等も身近に見られる。 文字どおり表舞台の臨場感から,舞台裏の全てまで見られ,思いの他,面白い見学だった。 移民達が造り上げた,南米のヨーロッパ,イタリア様式の文化資産の代表だろう。 アルゼンチンが豊かで,活力に溢れていたであろう事がしのばれる。 頑張れアルゼンチン! |
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タンゴを聴く ”いつか本場でタンゴやフォルクローレを聴こう!”と,ずっと思ってきた。 今日がその夜,先ずはここだ。 <タンゴバー: "El viejo Almacen"> 古い港町,石畳の下町風情の街角にある有名な老舗タンゴバー。 男っぽいしぶいのどを聞かせたタンゴ歌手,エドムンド・リベロが 古い建物を買取って1969年に始めたタンゴ酒場。 以来多くの有名歌手,バンドが出演する”タンゴの殿堂”となった。 一時不景気で店を閉めたが,タンゴを愛するブエノスの人達により 再開。 ”ブエノスアイレスの心の財産”と,言われているとか。 ”タンゴの神様”;カルロス・ガルデルの歌の詞からとったという ”古い雑貨屋”という名のピッタリな店の前に立った時, 旅人Usazitoは,すでに感激モードに入っていたのだった! さほど広くはない店内は,すでに満員のお客さんで埋まっている。 案内されたテーブルは,スペインから来た気さくなご夫妻と相席。 法律事務所(?)を経営する夫妻は,英語が堪能で,私の怪しい英語とスペイン語でも 充分コミュニケートできる。ショーの合間に楽しく話し合う。 10時過ぎ,いよいよショーの開始。演奏はバンドネオンを中心にしたセステート(六重奏)。 まじかで聴く,これぞ本場の生演奏のタンゴ。踊り手たちの見事で小粋な脚さばき。 司会が一段と声を上げて紹介したのは,今夜のメイン歌手,Señora ビルヒニア・ルケ! ”La Voz”(The 声)と称されるビロードのようなその声。 随分むかし,来日コンサートで聴いた事がある。 もう相当な歳のはずだが,その声と姿はおとろえることなく,チャーミングでいかにも ブエノスアイレスのオールドタンゴの雰囲気をかもし出す。 ”Bravo !”,”Que bien !” 拍手と歓声とため息・・・ |
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男性歌手の”Adios pampa mia”が始まると,客も一緒に店内大合唱となった! 大部分が内外からの観光客だろうが,さすがここに来る人達,只者ではなかった。 同席のスペインマダムも楽しそうに歌っている。私は出だししか覚えていない。 ”どうしてタンゴが好きなの?”と聞くと,”母が好きで,よくタンゴを歌っていたから”という。 ”(日本人の)貴方はどうして?”と聞かれるが,”うーん,昔から”としか言えない。 ”でも,タンゴとフォルクローレを聴きたくて,この旅にきたんだ”。”私達もだ”と喜び合う。 ショーは途中,フォルクローレトリオの演奏もあり,あっという間の2時間であった。 送られてホテルに帰ってのは,もう1時に近かった。 <タンゴバー:”Señor Tango”> 後日,もう一つの店,セニョール・タンゴ に行った。 新しいこの店は,規模も大きく(大きすぎ),舞台も広く演出も派手である。 先に行った,”El viejo Almacen”とは対照的な,観光客向けの派手なスペクタルといった感じ。 舞台に本物の馬が登場して,ガウチョ(カウボーイ)の雰囲気まで演出している。 それでも,そこは本場の事。演奏は本格的なオルケスタ・ティピカで迫力満点。 広い舞台を生かしたダンスシーンは,ヴィジュアルでキレイだ。 |
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ここで案内された席には,何と日本人がいる!と 思ったら,ハネムーン中の日系三世ブラジル人。 ”コンニチワ,サヨナラ”しか話せない! 同席の,老夫妻も会社経営のブラジル人だった。 ブラジル人はスペイン語も判るかと思ったら, どうやら私と同じ程度の怪しさ。 結局みな英語で,色々なおしゃべりを楽しんだ。 それにしても,この新婦はチョー美人であった。 この夜もホテルに帰ったのは,1時近くだった。 |