Mi viaje a Sudamerica             
                 

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 サルタ -1/2  <アルゼンチン> (10月23日〜)

広大なアルゼンチンの北部の主要都市で,ボリビア国境に近い標高1,200mにある。
周囲を山々に囲まれた,穏やかなコロニアルな地方都市である。
人々の顔もアンデス系の人の割合が増え,大都市ブエノスアイレスから来ると街の様子も人も,
かなり違うアルゼンチンが感じられる。
この地方は,アルゼンチン・フォルクローレ(民族音楽)のふるさとである。
不肖,Usazito がここにやって来たのも,ずっと聴いてきたフォルクローレに唄われた風土,背景を
少しでも感じてみたいから,であった。

<サルタ 市街>









ブエノスアイレスから北西へ2時間あまり飛んで,サルタに到着。

バカとケムリは高いとこに登りたがる!”・・・”同じバカなら登らにゃ,そんそん!”と歌いながら
まっ先にやって来たのは,”サン・ベルナルドの丘”
 上から見ると,広い盆地に整然と区切られた町並みが広がり,高地の風が旅を感じさせる。
望遠鏡で覗いて見ると,白壁,赤がわらの低い建物やビルに混じって,いくつかの教会や,
古いヨーロッパ風の建物が目に付く。













【 サン・ベルナルドの丘 】
 
【 サルタ市街中心部 】













           【 サルタ大聖堂 】     
 
【 大聖堂夜景 】















 
【大聖堂内部】

きらびやかで荘厳
な内装。

正面祭壇は
細かな彫刻が
金色に輝く。

横に,
”奇跡のキリスト像
マリア像”があるが
いわれは解らず。

【サンフランシスコ教会】


南米一高い教会の塔 
54m。
 

























この大聖堂のある”7月9日広場”は,スペイン語の教科書に出てくる通りに州政府の建物,博物館,
大きなホテル等古い建築物が取り囲み,典型的な”PLAZA"の様相である。
広場を中心にして,付近にはショッピングの店が多くあり,庶民的な店や食べ物屋も多く
平日ではあるが賑わっていて,夜の一人歩きも楽しい。

歩いているうちに,”中華バイキング”の店を見つけ喜んで入った。
”中華”とはいっても,中華料理はもちろんアルゼンチン(であろう)料理から,日本の巻き寿司風迄
品数は豊富。前菜,サラダからデザートのケーキ類までなんでも食べ放題で,値段はたった7ペソ!
アルゼンチンのペソ暴落の為,今のレートでは,日本円にして250円という安さだ
現地の人にとっては,750円以位の感覚であろうが,旅行者には大変有難い。
中国人が経営していて,頼めばウーロン茶も飲めた。
表には<Tenedor libre !>と書いてある。”自由なフォーク” →食べ放題という事だろう。
(ここに限らず各地にあり,チリでもお世話になった。南米に行く人にはお勧めである

満足してホテルにもどる。しかし・・・,
   エレベーター,止まってるのを確認して二枚の扉を自分で開けて乗り込む。
    2枚を閉めてから,自分でエレベーターを操縦して3階に到着。2枚を開けて降りてから,
    又2枚の扉を閉めて終わる。・・・歩いて上った方が早い。
    部屋に入り,スイッチを入れたら,電球が切れて真っ暗!  うーんっ,安ホテルめ!
    フロントに電話する。英語を話す女性はすでに帰宅して,いない!
    さあ困った,入門電話スペイン語会話。
    ”No hay lampara” (いや,ランプはある),”No hay luz”(似たようなものかー),(おちつけ!)
    ”Lampara esta rota,no funciona !”(よくできた!),ようやく判ったらしい。やれやれ。



















ひと休みして夜10時,サルタの夜のお楽しみ,フォルクローレを聴きに行こう!
このホテル,三ツ星以下の安ホテルだが場所はいい。
2ブロック先に,この世界では有名なペーニャ,”Balderrama” がある。
ペーニャは,民謡酒場または酒,食事の出来るライブハウス,といった感じの店である。)

<フォルクローレを聴く >

      ”Boliche Balderrama: 酒場・バルデラーマ という名のこの店は,
      フォルクローレのふるさとサルタにあって,”フォルクローレの殿堂”とか。
      ”バルデラーマを知らないのは,サルタを知らないこと”等と,お国自慢的フレーズを
      どこかで見たくらいの中心的な店である。
      この店の様子を歌った曲もあり,色々な歌手が歌っている。Usazitoも好きな曲の
      ひとつである。 

店は表からのぞける位オープンな造りで,ボーイ達も民謡酒場らしい田舎の大らかさが感じられる。
店に入った時,まだマイク,ステージのセッティングなどやっている。
有名なだけあって,やはり各地からの観光客で一杯である。

やがて,ガウチョスタイルの男のギター弾き語りからバルデラーマの夜は始まった,
しぶいだみ声が,この地方の音楽でありアルゼンチンフォルクローレの代表的リズムである,
チャカレーラによく似合う。
優美で親しみやすいアルゼンチン・サンバも好い。(ブラジルの喧しいサンバとは全く別物)
この形式で書かれた名曲中の名曲”ツクマンの月”を筆頭に,多くの名曲がある。
この”バルデラーマ”の曲もサンバで書かれている。

 
ボンボ(太鼓)2丁だけで,勇壮なリズムを刻み
踊るガウチョ姿の二人組も面白い。
どこか沖縄のエイサー踊りに通じる。

アルゼンチン(スペイン風か)の古典的なドレス
で,可憐に優雅に踊る女性のダンスも
様々な形式の踊りを見せ楽しませる。

メーンゲストらしい4人組のグループは実力を
感じさせる演奏とコーラスで,フォルクローレの
世界をたっぷりと味あわせてくれる。























途中,司会者が世界各地から来ている客の紹介を始める。英語混じりのスペイン語。
”フランス?!”,"スイス?!",”ブラジル?!”等と紹介しながら何か冗談を言い,
紹介された方も他の客も喜んで拍手と歓声の交換。
”一番遠くの国,Japonからたった一人でやって来た!” Usazito にも大きな拍手をいただく。
15カ国くらいの人達が来ていた。小さな国際親善である。

この酒場,開業50周年が近いらしく酒場のオーナーである,”Don Juan Balderrama”その人が
出てきて,何か長い挨拶をしていた。
でっぷりとした体格のユニークな風貌で,店と共に結構有名人らしい。
話の中でこちらを見ながら,”こうして日本からも多くの人が来てくれる”というような事を言っていた。
言葉がもっと判れば,店の歴史や,歌手などフォルクローレに関する事を話していたらしいのに・・・
 
演奏とダンスが盛り上がってきて超有名曲”花祭り”。客も誘われ全員手をつなぎ踊りだす。
店の中では収まりきらず,外の通りにまで踊り出て大騒ぎであった。
 12時を過ぎても,歌と演奏は続き店内はますます盛り上がっている。
もっともっと聴いていたかったが,明日の早いツアーのために切り上げて,ホテルに戻った。

本場で聴けたアルゼンチン・フォルクローレとその雰囲気に大いに満足した夜だった。


 さあ明日は,”ウマウアカ渓谷”,北部アルゼンチンの雄大な谷間を行く大ツーリングだ。